自閉症に関して

自閉症という病気に関しては、映画“レインマン”におけるダステイ・ホフマンが演じた自閉症の兄役を通しての自閉症という病気であったり、“君が教えてくれたこと”のなかでの主人公が演じていた自閉症の女性であったり、非常に貧疎な知識が一般的であります健常者にとっては自閉症」という病気は、「心の病い」だろうという程度でしかとらえておりません。
あまり自閉症を知らない人達に、病気に対していくらかでも、認識を改めてもらい、理解してもらうためにこのコナーを設けました。ここでは、自閉症を扱っているサイトを紹介したり、医療の現場で自閉症に使われている漢方薬等を紹介しておりますので、参考にしてください。



@自閉症に関して!
 
   ワークショップ小児・思春期精神医学

 
新しい自閉症の手引き

A(必見)自閉症の方のサイト!
  
   
真理子の世界へようこそ

 *自閉症に関してのリンク先

B私の考えたこと
  
 自閉症の子供達に接して

C自閉症と漢方薬
  
  
自閉症と漢方薬

 *漢方薬に関しての質問箱

   
 質問箱

D雑誌よ

 週刊朝日増刊号「漢方」より抜粋) 

  ・「向精神薬と漢方薬の併用で目に見えて改善する事も」
         
 
(医療ルネッサンスより抜粋)

  ・「自閉症とともに」

 
ETVよ    

  *「抱きしめたい」   

 F感想、メール、他

 


 

 @自閉症に関して

 “ワークショップ小児・思春期医学”      

(東京大学医学部付属病院精神神経科小児部)

自閉症は
人生の早い時期に障害が現れ、発達の過程によって状態が変わっていく発達障害である。発達の障害の特徴は精神機能としての表象機能の障害であり、その障害の基礎には、未だ特定できない高次の中枢神経のシステムの障害があると考えられている。

(1)自閉症の発見
自閉症は、アメリカのカナーにより、1943年に“情緒接触の自閉的障害”として、最初に記載された障害である。
発症は、人生のきわめて早期であり、主要症状として周囲からの極端な孤立と自閉化、特異な言語症状、強迫的になるような同一性保持があげられていた。

(2)3つの神話の成立ー不幸な誤解ー
当時のアメリカの精神医学はすべての子供の精神障害を精神分析的に理解しようとした。
すなわち何か異常行動があれば、それは、早い時期の養育環境に必ず問題があり、アプリオリにその原因は親の態度や性格に求められた。この流れの中で、カナーの診断基準の一部が過度に強調され、自閉症に対する極めて非科学的な三つの神話ができあがった。
第1は
自閉症は心陰による防衛としての自閉であるから、その原因は必ず生育歴にあり、家族関係とりわけ母のパーソナリテイに求められるはずだと解釈された。
第2は
潜在的な認知と知能は本来良好であり、それらは自閉という情緒障害のために実際は現れないとされたことである。
第3は
自閉症はこのように心因によるものであるから決して器質障害はないはずであると確信された。

(3)新しい研究の発展と三つの神話の崩壊
この間の、研究の進歩により知られた実証的科学的成果が、先ほど示した三つの神話の崩壊をまねくことになった
自閉症に対する研究は
発展の過程にあり、自閉症は脳の機能障害が強く推測される発達障害であり、行動的症候群とされるようになった。


  • 自閉症の概念と診断

    (1)定義

    自閉症は3歳位までに起ってきて、
    1.社会的な相互交渉の質的な障害  
    2.コミニケーション機能の質的な障害  
    3.活動と興味の著しい限局の三つを主徴とする行動的症候群と定義される。

    (2)診断基準
     自閉症の診断基準で大切なことは、
     行動的に定義された基準であり、明確な脳障害があろうとなかろうと自閉症と診断できる。

      

自閉症の障害の今日的理解

まず、脳に障害を起こす何らかの原因がある。
おそらくいくつかの原因がからみあいある特定の脳機能のシステムに障害を起こすことになる。そのために表象機能障害が起り、それが一方では認知の障害、他方では情緒の障害として現れる。そして、成長とともに行動というう形でこの障害が現れてくる。つまり、自閉症的行動が外界との関連で形成され、内的世界と外的世界とフイードバックしあい、いろいろな行動の異常がつよまったり、弱まったりする。そして、これらのすべての次元について内的発達により行動を変化させる力が生じ、このフイードバック系に一層の複雑さを付け加えている。
自閉症においては、認知の障害もあるし、情緒の障害もある。シンボル機能のない感覚運動期に属する自閉症の子供達はより自閉的にみえ、年長になったり認知発達の水準が高くなると自閉性は減弱する。つまり、自閉症には、認知にも情緒にも障害があり、発達の時期によって認知と情緒のどちらの側面が前景に出るかが変わっていくと考えられる。

  

  • 自閉症の治療と教

    A.働きかけの2つの側面
     
    1.障害をもつ子供自身に関わる働きかけの側面である。
     2.まわりの受け入れ、理解、設備、さまざまな環境の要因をよくする側面である。

    B.治療教育とその3つの次元
     
    1.自閉症の基本障害の克服と代償である。
     2.個々の適応の領域の発達を促すことである。
     3.行動の異常を減弱させたり、予防することである。
     
     

薬物療法

自閉症に対する薬物療法は

対症療法的であり、治療教育を効率的に行ったり、家庭や社会での適応をよくするために用いられる。薬物の適切な使用により、相当程度の効果が期待できる。その際には、親、教師など自閉症に関わる人に、服薬の目的と副作用の知識とその対策を伝えておく事が大切である。おおよそ、次の3つの目的で使用される。

(1)脳機能障害の改善を目的とする薬物
脳機能の全般あるいは想定された特定の病理の改善を目的にするものである。このカテゴリ―の薬物はすべては研究途上にある。脳機能の全般の改善を目的とするものとしては、坑痴呆薬あるいは向知性薬、ビタミンB群がある。

(2)非特異的な情緒障害や異常行動の改善を目的とする薬物

興奮、不穏、不眠、こだわり行動、多動、自傷、パニックなどが標的症状となる。
これらには坑ド―パミン作用の強い強力安定剤の子供での使用の仕方は、一般に少量より開始し、標的症状の消失あるいは緩和するまで徐徐に増量していく。その際に、錐体外路性症状(体がつっぱたり異常な動きをしたりする)や
過鎮静などの副作用に注意する必要がある。
錐体外路性症状の予防として、坑パーキンソン剤が使われることがある。


(3)合併しやすい精神医学的状態の改善を目的とする薬物

てんかん発作があれば、坑けいれん剤の使用は必須であり一般のてんかんの場合に準ずる。
発作が無く、てんかん性脳波異常の所見だけで一律に坑けいれん剤を使用することは必ずしも妥当ではない。

  
 “新しい自閉症の手引き”

(Q&A日本版作成ネットワーク)

 Q1.自閉症ってどういう障害?

自閉症とは
生まれつきの障害で、完全に治る事はない。自閉症の人は、見たり聞いたりすることを普通の人と同じように理解する事が出来ない。このため、人と関わる事や、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちをくみ取る事がとても苦手である。行動も自分勝手にみえることもある。普通の喋り方や、コミユニケーションの持ち方や、人や物事への適切な関わり方を習得することは、容易ではない。
 Q2.自閉症にはどういう特徴?

1.言葉の発達が遅れる
2.人との関わり方が分からない感じ方に一貫性がない
3.知的機能がかたよって発達する。
4.活動と興味が限られる
 Q3.自閉症の原因は?

自閉症は
生まれつきの脳障害。脳内の情報処理の仕方に障害がある。しかし、その原因はまだ解明されていない。自閉症は、実際にはいくつかの<要因>の組み合わせによって生じる。
 Q4.自閉症の発生率は?


自閉症は、発達障害のひとつ。生まれてくる子供の1000人に1人か2人の割合で発生する。

 Q5.どういう人が自閉症に?

人種・国籍・生活様式の別に関係なく、世界中で自閉症のこどもが生まれている。
5人のうち4人の割合で男性。
 Q6.自閉症の人にとって一番むずかしいこと?

自閉症の人にとってとりわけ難しいことは、ことばを正しく理解し使うことと人と関わること。
 Q7.自閉症は行動にどういうふうに影響?

ことばや人との関わり方の問題に加えて、自閉症の人は、極度に、多動であったり、親や家族、他の人々に対して自分から働きかけることが極端に少なかったりする。
 Q8.行動上の問題はどれくらい重い?

重い場合は、ひどく攻撃的になることがあり、場合によっては自傷行動に及ぶこともある。
軽度の場合は学習障害に似たものになる。しかし、軽度の自閉症の人でも、コミユニケ−ションと対人関係の障害により、周囲に誤解されつらい思いをすることがしばしばある。
 Q9.他の障害との合併は?

自閉症は単独で生じることもありますし、精神遅滞(知的障害)・学習障害など別の発達障害やてんかんを合併することもる。自閉症は、軽度から重度まで連続した障害であるとするのがもっとも妥当な考え。自閉症の重さは、周囲の理解度、活用できる資源の量、精神遅滞の程度で決まる。
 Q10.自閉症と精神遅滞との違いは?

自閉症のひとは、スキルによって発達がばらつく。すなわち、ある領域(典型的にはコミユニケーシヨンや対人関係の能力)では、発達に障害がみられるのに、別の領域では、比較的よく発達する。
 
A自閉症の方のサイト!
 真理子の世界へようこそ


塩入正芳
氏がご自分の子供さんの自閉症の様子を自分の目を通して、見たままを紹介しているサイト真理子の世界へようこそに是非、一度、アクセスして下さい。
そこには、父親の子供に対するあふれるような愛情と自閉症に対して真剣に立ち向かっている姿勢が強く感じとられます。
私には、何も言う言葉が思い当たらないほどのカルチャーショックをうけ、戸惑いを感じました。
病気、障害ということに対して、我々がどこまで立ち入ることが許されるのかは、難しい問題ではありますが、少なくても、同情するのではなく、同じ目線で考えることができるようになれたらと思っています。そして、自閉症という病気に、少しでも、漢方薬が、手助けになれたらと…。

 自閉症に関わるリンク先


真理子の世界へようこそ
“天真爛漫” (井口様のサイト)
北のビールのホームページ (北海道の「星が丘寮」のサイト)

ワークショップ小児・思春期医学
“新しい自閉症の手引き”
日本自閉症協会 千葉支部
電気神奈川福祉センター

自閉症に関してそれぞれの立場で何かご意見があれば、sagamikanpou@nifty.comまでメールをお寄せください。

 

 
B私の考えたこと
 “自閉症の子供達に接して”

                         (前)相模漢方薬局スタッフ
                                    昭和薬科大薬学部(卒)     上条 泰弘

自分は、新横浜のラポールで、1年程前から、自閉症の子供達の水泳教室のコーチのアシスタントをさせてもらう機会を持ちました。
そこに水泳に来る子供達の年齢は、小学生から高校生までです。症状も様々で、小学生の子供達は、誰に言われても理解して行動する子もいれば、なかなか言う事を理解してくれず、癇癪をおこしたり、逃げてしまう子もいます。しかし、高校生くらいになると、自分で理解して泳ぐ事ができる子も増えてくるように思えます。
いずれにしても、なかなかお互いの会話が通じあうことは、難しいようです。こちらから、優しく話かけてもなかなか話したがらない子も多く、なかには、一つのことを何度も重複して話している子もいました。それでも優しく話し掛けていうちに、こちらの気持ちが少しずつ伝わったのか理解してくれて行動に移ってくれる子供もいました。また、彼らには、独特のコミュニケーションの仕方があるようで、相手をつねったり、痛がるところを見て喜んだり、相手に抱きついたりなめたりすることで、安心する子もいるようです。
この場で、水泳というスポーツを通じ、この子供達が、何かを「やりたい」という気持ち、水泳に対する興味を少しでも持ってもらいたいと思っています。やってみたい、うまくなりたいという気持ち、いわゆるプラス志向を持つことで、いろいろなことに対する意欲が湧いてきて、人との対応の仕方を少しずつでも、覚えてくれると本当に、うれしいのですが・・・。
私は、このボランテアに参加した事で、自分で自分を違った角度から見つめる機会、また、自分が知りえた今までと違った世界を知り考える機会を持てた事に関して、すなおに、子供達に感謝しています。そして、もっと多くの人に自分の目で自閉症の子供達の現状を知ってもらい、その人なりの理解をしてもらい、自閉症の子供達の良き友達、良き理解者になってもらいたいと、思っています。
そんな気持ちから、是非、このボランテアに多くの人が参加する事を期待しています。
(このボランテアの参加条件は、水泳の経験があることだけです。)        

 

C自閉症と漢方薬
 漢方薬


漢方において

心理的な要因で種々の精神症状や身体症状が現れる「心身症」や「神経症」は、漢方においては、「気」の流れが停滞して起ると考えられている。その「」を調整・強化する各種の「気剤」は豊富にあり、種々の「心身症」や「神経症」に効果的に多用されている。
漢方薬は
精神安定剤と違い、精神状態を軽減するだけでなく身体面に穏やかに作用するため、体調・体力が強化されてきて、精神面にも叙叙に効果が現れてくることが少なくない。そいう関点では、自閉症の精神症状の軽減には役立つのではないかと考えている。

精神的にバランスが崩れた状態になった場合は
多くは向精神薬が投与されているが、それでもなかなか改善されないで、重症でない場合は、漢方薬が手助けになるかもしれない。また、少なくとも漢方薬を併用することによって向精神薬の副作用が軽減されることは確かであろう。  

 

タイプ 処方名 症状
実証 柴胡加竜骨牡蛎湯 胸元が苦しく、便秘、動悸、不眠がある場合
黄連解毒湯 のぼせ、目の充血、鼻血、胃のつかえがある場合
中間症 女神散 不定愁訴、のぼせ、便秘がち
四逆散 いらいら不安感 
抑肝散
抑肝散加陳皮半夏
イライラが強く怒りっぽい 
苓桂朮甘湯 不眠、頭痛、どうき、めまい
虚証 桂枝加竜骨牡蛎湯 不眠、不安、肩こり、動悸
甘麦大棗湯 ひきつけ、いらいら、下痢
加味帰脾湯 不眠、不安、気分が沈む
半夏厚朴湯 気鬱感強い、のどから胸元の違和感

 


黄連解毒湯
(黄連、黄柏、黄ィ、山梔子)
種々の炎症、出血、かゆみ止めとして用いられている。のぼせ、頭痛などにも使われる。
例:暑がりで、のぼせ気味。体をかゆがり、母親にいらいらして噛み付いたりする言葉の不自由な自閉症の人。
このような人には、現在服用している向精神薬と併用してもらいたい。

女神散
(当帰、香附子、川、桂皮、白朮、黄ィ、水香、檳榔子、黄連肝臓、人参、丁字、大黄)
不安愁訴、のぼせ、めまい、便秘がちな人に使われる。
例:女性で、特に生理前になると精神的に不安定なりやすい自閉症の人。
夜のよく眠れず、過食と嘔吐を繰り返し、母親などに体を押し付けたりするようなときに、現在服用している向精神薬と併用してもらいたい。

抑肝散
(当帰、釣藤、川、茯苓、柴胡、朮、甘草)
イライラが強く怒りっぽいに使われる。 
肝機能を調整する柴胡、鎮静鎮痙作用のある釣藤が配合されている。

抑肝散加陳皮半夏
(当帰、釣藤、川、茯苓、柴胡、朮、甘草、陳皮、半夏)
神経過敏で怒りっぽい人に用いられ、漢方の精神安定剤とも言われている。
肝機能を調整する柴胡、鎮静鎮痙作用のある釣藤が配合されている。

半夏厚朴湯
(半夏、茯苓、生姜、厚朴、蘇葉)
ノイローゼなどによく用いられる処方。のどに何かつまった感じがして、
動悸、めまい、精神不安、などのような時に効果がある。
気分を明るくする厚朴、気のめぐりを良くする蘇葉が配合されている。

  

漢方薬に関しての質問


(質問) 1.
(男性:50才-子供さんは、20才の女性)
現在、うちの子供が服用している薬剤は次のとおりです。
(昼)レボトミン150mg,リスパダール8mg,テグレトール150mg,アキネトン3mg
(夜)レボトミン100mg,イソミタール0.2mg,ベンザリン10mg  以上
漢方にも同様の薬効のものはあるでしょうが、漢方は作用が穏やかであり耐性の強い子にはどうかと思うのですが?     


(答)  
漢方薬は
穏やかなので、漢方薬だけでは難しいかもしれませんが、併用することによって、副作用の軽減にもなりますし、将来、向精神薬の量も減らすことも可能だと思います。
子供さんの年頃ですと、女神散という漢方処方と併用すると、いわゆる“血の道”を改善しながら精神的な不安定さも落ち着かせてくれることと思います。


(質問) 2.
自閉症と漢方薬との関係は?


(答) 

漢方薬は
自閉症に直接的にどれだけ効果があるかは分かりませんが、いろいろな精神状態を改善してくれると思います。なかでも黄連解毒湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、女神散、抑肝散などは期待できると思います。


(質問) 3
漢方はお値段の方がどうも・・・   ( S 様)


(答) 

漢方薬の値段は様々ありますので、相模漢方薬局における価格を少しお知らせします。

お客様の相談に応じて調合する場合は、煎じ薬で1日400〜700円、漢方エキス剤で1日300〜600円。

漢方処方の製品(錠剤、顆粒、刻み)では、様々な価格のものがあります。

 

剤型

価格

製造

黄連解毒湯

錠剤

350錠 4800円

一元製薬

 

顆粒 48包 4400円 松浦漢方

  

刻み 10包  4000円 松浦漢方


(質問) 4.
( H.K 様)
自閉症に効果がある漢方薬として抑肝散加陳皮半夏湯、柴胡加竜骨牡蛎湯をあげられていましたので、試してみたいと思います。娘に、より効果的と思われる方をお薦めください。お薦めの漢方薬の効能、服用量,期間、価格等具体的なご回答いただければ幸いです・・・・。

子供は(5才7ヶ月:女の子)

診断名
自閉性障害
精神的状況
基本的には、優しく穏やかだが、気分のむらがあり、我慢がきかず、疳積もち。・・・・
服用している薬剤
パキシル5mg,
メラニン0.5mg

(答) 
漢方薬としては
抑肝散加陳皮半夏湯
をお薦めします。
効能、効果は、小児癇症、精神的イライラ、神経症、小児夜なき、などの神経の高ぶりを鎮めてくれますので、是非、飲んでみて下さい。
また、夜尿症のお子さんとか、虚弱体質、神経質で疳積持ちなお子さんに、
小建中湯の飴を使用していただいて好成績を得ています。
小建中湯は
気持ちを穏やかにしたり、子供の体質改善をしてくれますし、飴ですので、子供さんは服用しやすいと思います。是非、お薦めします。この小建中湯については、私のサイト子供の夜尿症”のところで取り上げておりますのでご覧になって下さい。

抑肝散加陳皮半夏湯の漢方薬は
一日3回食前に一包服用していただき、30日分(90包)で9000円です。

  漢方薬に関してのおたより(経過報告)

● H.K 様より
娘の改善状況についてお知らせします。
平成12年7-8月、薬局に相談して、逍遥散、竜胆瀉肝湯、知柏六味丸を配合したものを夕方 1回飲み、夜よく眠るようになった。しばらくして何故か便秘になり苦しそうだったのでやめた。
現在、パキシルを服用しているが、本来 漢方のきく体質と思い、テンプル・グランディン著書、訳者のあとがきの中で、抑肝散加陳皮半夏などがパニック発作のある自閉症者に有効(長瀬又男医学博士)との記載があったので試してみた。
午前1回、午後1回=1日2回 服用。
神経の過敏さがなくなり、日中おだやか、夜よく眠り、便通良好。
結果、ストレスに強くなり、癇癪がへり、機嫌よく社交的になってきた。

 

D雑誌よ
  週刊朝日 増刊号 「漢方」より抜粋


閉症”
  
                         「向精神薬と漢方薬の併用で
  
                          目に見えて改善することも」

 鈴木洋一                  

  
 

知的障害の無い患者も多い

昨今は「天使が消えた街」「君の為にできること」と、自閉症をテーマにしたテレビドラマが二本、立て続けに放映され、社会的な認知も進みつつある。とはいえ、まだまだ誤解も多い。「日常、自閉症という言葉は『自分の内に閉じこもる』といった意味で使われることが多いですが、本当の自閉症はそれとは違います。発達障害の一つで、一種の脳の働きの障害なんです。親の育て方、環境、心の傷などとは関係なく起こります」と鈴木洋一医長は言う。

原因はまだ一部しかわかっていないが、自閉症の診断基準と次の三つの項目が挙げられている。

1. 相互的社会的関係
人の感情を読みとったり、他人や社会のペースを把握することが下手など
2.コミュニケーション
人に意思を伝えることや、人が何を伝えたいかを読み取ることが苦手など。
3.限局した反復的な行動
何か一つのこと(本質的でない要素や道具の一部など)や手順にこだわる。 これらの領域すべてに徴的な型の機能障害が認められる場合、自閉症と診断される。また、全員ではないが、知覚異常も見られる。ある特定の音や光、模様、におい、感触などに過敏であったり、強い好みを持ったりする。日差しがまぶしすぎてつらく、サングラスが必要になることも。

「こうしたことは一般の人たちになかなか理解してもらえないですし,自閉症の人は,この世の中ではとても生きづらいんです」 十年程前までは、自閉症の発生率は一万人に四,五人といわれていた。最近は一桁多いのではないかと推測されている。以前は七,八割が知的障害を伴うとされていた。が、現在は、知的障害を伴わない人はもっといると考えられる。
「一口に自閉症といっても、とても幅広いのです。知的障害を伴わない場合は、大人になっても自閉症と診断されないままでいることが多い。自閉症の人はもっと多いのでは、と言われるゆえんの一つです」  


自覚症状を大切にする漢方のよさ  
一部の人は、思春期にパニック状態になることがある。本人がとてもつらがり、周囲がたいへん悩む場合は、向精神薬(精神安定剤など)で治療するが、鈴木医長は、漢方薬も併用している。「向精神薬を大量に使っても症状が改善せず、困っている人には、漢方薬が助け舟にもなります。また、漢方薬を併用すれば、向精神薬の副作用もあまり出なくてすみます」  
よく使うのは
気持ちを落ち着ける作用があるとされる
黄連解毒湯(オウレンゲトクトウ)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、大柴胡湯去大黄(ダイサイコトウキョダイオウ)、柴湖加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコッポレイトウ)、柴湖清肝湯(サイコセイカントウ)、女神散(ニョシンサン)、抑肝散(ヨクカンサン)などだ。
処方の選択は基本的に証に従う。


治療例をいくつか紹介してもらった――。


〔症例1〕
三十代の男性Aさん。
重度の精神遅滞を伴う自閉症で、言葉は話せない。一九九四年に、
Tシャツを一日に何枚も破く,母親にかみつくなどの行動が見られるようになった。体もかゆがる。以前から大量の向精神薬を飲んでいたが、鈴木医長は黄連解毒湯を追加した。
すると数日で効果が出始め、かゆがらず、服も一度破いただけ。施設の運動会にも参加出来た。自動販売機のおつりが全部十円玉だとよくて、五十円玉が混じっていてはだめ、とこだわっていたが、それもなくなった。いらいずっと黄連解毒湯を服用し、あまりパニックを起こさず、向精神薬の使用量も減ってきた。
なお、黄連解毒湯は、暑がりで、のぼせ気味の人に効くことが多いそうだ。

〔症例2〕
三十代のB子さんも重度の精神遅滞を伴う自閉症だ。
福祉作業所で働いていたが、そこへ行くのを嫌がる。母親にたびたび体を押しつけて困らせる。特に生理前になると精神的に不安定になりやすい。夜もよく眠れず、過食と嘔吐を繰り返していた。

二十五歳のときに受診。鈴木医長は最初、向精神薬と黄連解毒湯処方した。嘔吐には効いたが、精神不安定は改善しなかった。そこで女神散に変更したところ、二週間後には夜も眠れるよううになり、福祉作業所に行くのもあまり嫌がらなくなった。生理前の不安定も改善し、体を押しつける行為も減ってきた。
「自閉症の人は神経を使って苦労して生きているために、ときにイライラしてパニックを起こします。周囲の人も、、本人は精一杯生きていることを理解してあげることです。
現在のところ,自閉症へのアプローチは『療育』が主体となります。療育とは、本人が安心できる枠組み、たとえばスケジュール表などを用意してあげながら、社会性やコミュニケーション能力、生活技術の発達を促そうとするものです。薬を使うのはその次です。とくに自覚症状を大事にする漢方は、知的障害がある、なしにかかわらず、楽に生きるための助けになることがあるはずです」



医療ルネッサンス        (朝日新聞 2001/9/15)から引用


 自閉症とともに (4)

自閉症は、十分な意思疎通ができないなどの障害が出る。脳の障害が原因で、完治は望めないが、快適な生活を送れるよう、医療、福祉、地域が連帯する事が重要だ。中部地方の定時制高校に通うB君(18)は、知能は正常範囲にある「高機能自閉症」。落ち着きがなく動き回り、一人で交通機関に乗ることは難しいが、映画が好きで、知識も豊富だ。チャップリンから新作まで、週数本はビデオを借りて観賞する。自閉症の二割は思春期を迎えるころ、てんかん発作を起すとされている。B君も昨年二月、発作を起こし、救急車で運ばれた。両親は落ち着いて対処した。隣県の小児科や国立小児病院(東京・世田谷区)に通院し、常に医師らの指導を受けていたからだ。母(53)は「病院や医師は、問題が起きた時に対処したり、学校に理解を求め際の後ろ盾になってくれる」と話す。

少ない専門医
だが、このように長年、医療の援助を受けている人は多くないとみられる。その背景には、自閉症児の診断・治療を主に行う「児童精神科」が標ぼう診療科目として認められていない事情もあり、専門医が全国で約百人しかいないことがある。東京都立梅丘病院副院長の市川宏伸さんは「入院施設の少なさも問題だ」と指摘する。日本精神神経学会などによると、ぜんこくの精神科の入院病床約三十六万のうち、児童・青年向けは約九百床に過ぎない。自閉症の人には思いが通じないと、自分自身を傷つける「自傷行為」を起す事があり、自分の顔を殴って失明する場合さえある。「適切に治療されず、障害を悪化させる事も少なくない」と市川さんは言う。福祉の支援も不十分。自閉症で知的障害も伴うと、療育手帳が交付され、就労時に障害者採用枠を利用できる可能性がある。だがB君のように、知的障害がない発達障害の場合は対象にならない。厚生省労働省は来年度、自閉症の患者、家族らの相談などにあたる「支援センター」を全国八か所に設置する予定だ。自閉症を理解し、支援環境を整える。社会全体で取り組む時期に来ている。
(石塚 人生) 


 ETVよ
  NHK  平成14年10月26日(土)放映 


 “抱きしめたい”
     - 自閉症の弟をもつ姉と家族の旅-


      
                    


      感想  “抱きしめたい”を見て

1、Y.J記
最近は、昔ほど家族の病を隠す事もなくなり、時々障害の方をみかけることもありますがTVをみて、自分の事として考えると果たしてどこまで自分をコントロールできるかなと思ってしまいました。
障害者である子を持つ親が将来の不安を抱きながらも子供の一つ一つの成長を心から喜び今を一生懸命に生きている現状と、障害者を兄弟にもつ人の気持ちとは、違う形の愛と不安があるのだなと思います。
病気は違いますが、私の娘の病気についても色々と考えると怖くなることがあります。テレビと重なる所も沢山ありました。どんなに長生きしたくても、人間には寿命がありますし私がいなくなったらこの子はどうするのかな?姉妹に迷惑をかけてしまうのかな?といつも考えてしまいます。
健常者である子に対しても、いつまでも見守っていたいと思う親心、ましてや障害のある子供を残していけないと不安になる親の心は、いつの世も親の課題のでしょうか…?


2,Y.K記
健常者の家族よりも絆、家族愛、姉弟愛が強いと思いました。


3.N.K記
感動しました。家族愛というか家族を思う気持ちがひしひしと私の胸に伝わってきました。


4.N.O記
昔、私の同級生がある日突然一切の言葉を失い、笑わなくなりました。
その「彼」とは幼稚園から始まり中学生の「あの日」まで普通に語り、笑い遊び廻っていたのですが突然喜怒哀楽が消えうせてしまったのです。もともとおとなしい性格ではありましたが、級友の問いかけはおろか授業中の先生の質問にも意思表示をしなくなりました。はじめは何かに反抗しているのかと思い級友達は、なんとか笑わせたり喋らそうとしたのですが全く反応がありませんでした。そうしているちに担任が「彼は自閉症という病気なのだからそっとしておいてやるように」と言われました。当時13〜14才の少年少女にとってはあまり理解できませんでした。それでもその後も、「いじめ」や「からかい」よりもなんとか彼が私達に反応してほしいという空気がクラスのなかに充満していました。そうこうしているうちに、1年くらいたったある日、クラスメートが授業時間に非常にトンチンカンなヘマをしたときに、先生も級友たちも大爆笑した時がありました。その時、その「彼」ががまんしきれなかったように、「くすっ」と笑い声を発したのでした。それに気がついたクラスメートたちは、大歓声をあげました。「笑った、笑った」「やったーやったー」「良かった」と口々にして「彼」のところに走りよりました。「彼」はそのクラスメート達に無言でしたが笑顔を返してくれました。以来しゃべりはしませんでしたが、笑顔やうなずきはするようになりました。このドラマを見て昔、若かりし頃の自閉症であった「彼」のことを思い出しました。
そして、自閉症に限らず、障害者をもつ親や家族の人たちの苦悩をあらためて、いろいろ考えさせられました。


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