人参の種類

 

    
  

人参について

八百屋で売られている野菜のニンジンと高麗人参は、全く違う種類の植物。
野菜のニンジンは、セリ科で、高麗人参はウコギ科の多年草。
オタネニンジン、薬用ニンジン、朝鮮ニンジンなどと呼ばれるものは全て高麗人参を指している。
日本に渡ってきたのは、高麗人参の方が先で、ヨーロッパから伝えられたものは、形が、高麗人参とよくにていることから、“ニンジン”と名付けるれたようだ。
     
薬用のニンジンは、Panax ginseng:主成分(サポニン)
食用のニンジンは、Daucus carota:主成分(カロチン)
  
  
  -讀賣新聞日曜版-『 漢方漫歩 』-1997/3/23-


“状況による使い分けで副作用なく”
    

朝鮮人参は、昨今のブームのなかで濫用されすぎたため、血圧が上がったり、興奮症状の出現などの副作用が問題になったが、正しく使いさえすれば何ら問題はなく、補腎薬の王様としての価値には今でも変わりがない。
どんなに良いものでも効果の裏には必ず反作用を伴うものである。個々の性質をよく理解して、状況によって使い分ける必要がある。たとえば、ウコギ科の人参類にはいろいろな種類があるが、補気(元気を補う)作用という面では共通した薬効を持ちながら、それぞれ特有の性質も持っている。
朝鮮人参
が温熱性で興奮作用があるのに対して、西洋人参は逆に涼性(体を冷やす)で、滋潤(体液を増やす)作用もある。
田七人参
は温性で活血(血行促進)作用と止血作用を合わせ持つ。シベリア人参(五加参)は温性で抗ストレス作用と睡眠促進作用が特徴である。同じ気虚(気の不足)の人を治療する場合でも、熱感がある人に対しては西洋人参が適しているし、冷える傾向の人には朝鮮人参が向いている。お血(血の滞り)や出血傾向のある人には田七人参を用いるとよく、不眠やストレスを伴う人にはシベリア人参が最適である。         
             袁 世華(中国・長春中医学院教授)