高麗人参(オタニニンジン)


日本薬局方では“本品は、オタネニンジンPanax ginsengの細根を除いた根、または、これを軽く湯通したもの”と載っている。Panax(パナックス)とは、ギリシャ語で「万能薬」を意味し、ginseng(ジンセング)は、人参の中国発音からきたとされている。そして、人参という名前は、その根が人の形ににているところからつけられたらしい。オタネニンジンの名については、江戸時代、朝鮮などから渡来した人参の栽培を時の幕府が奨励し、諸大名に種苗を分け与えた。その人参の種子から御種(オンタネ)と敬称をつけて呼ばれるようになった言われている。

高麗人参の栽培方法は、普通の作物とは違い、人参は、一度植えれば、少なくても、15年間は同じ土壌に再び植える事が出来ない。そして、土壌と地形により、収穫量が大きく異なる。そのため、人参にあった土地を選ばなければならない。高麗人参は、普通4〜6年の栽培の後、畑から掘り出す。採掘したままの状態の人参を、生人参(なまにんじん)と呼び、乾燥したものを白参と呼んでいる。
高麗人参については、中国の“神農本草経(しんのうほんぞうけい)”という医学書でも、五臓(心、肺、腎、肝、脾)の働きを正常化し、精神状態を安定させ、目や心臓の働きを高めて、頭の働きをよくし、長生きさせる、と記載されている。

  

成分


人参サポニンパナキサンA.B.C.D、アルギニン、グルタミン酸、ミネラル(マグネシュウム、カリュウムが豊富)主成分は、サポニンと呼ばれている。
サポニンは、イライラ、頭痛などを鎮めたり、疲労や、食欲減退などを回復促進する働きがある。
体の疲れている人、弱い人には、じっくりと、体力をグレイドアップし、低下している健康状態を改善し、疲労回復、体力増強に優れた効果がある。

適用


虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良。
古くから、人参は「
五労七傷」(五労とは五臓の虚労のことで、虚労とは一晩睡眠をとっても疲れが残っている状態のこと。七傷とは、七種類の病気のこと)を治療するといわれている。
   (一日最大分量:6g,粉末の場合:3g)

6年根


人参の栽培には、長い年月を要するが、6年生の人参が、サポニンの含有量が高く、バランス良く均一に含まれている。人参はなるべく、6年根を用いたい。
6年根→高麗人参の葉の柄は、1年目は、1本、2年目は、2本と増える。しかし、6年目に、6本となりそれ以上は増えない。つまり、6年かかって成熟し、薬用の植物として生育する。7年以上土壌の中で栽培していると、害虫やウイルスに冒されるて腐敗したり、肥大しすぎて割れやすくなったり、肥大する部分も根の木部で有効成分のあまり含まれていない部分である。それで、6年根が品質上、最も優良であるといわれる。

栽培


人参に適した環境は、北向きの斜面で夏は涼しく適度の雨量があり、土壌に腐食質を多く含み、水はけのよい樹の下。強い酸性土壌や排水の悪い土地、強い乾燥地、高温多湿の地方では栽培は難しい。日本の人参生産量は、長野県佐久地方で約70%、福島県会津若松地方で約20%、島根県八束町で約8%生産。

 

 
高麗人参
は、加工の仕方で、紅参(こうじん)白参(はくじん)とに分けられる。
紅参

高麗人参の根の皮をむかず蒸したものを乾燥させたもの。赤褐色をしているので、紅参と呼ばれる。
根の皮ののすぐ内側には、網目状の組織があり、その中に、有効成分のサポニンが大量に含まれている。白参に比較すると、生の人参を紅参に加工しているため、サポニンの含有量が高く、又、蒸しているので、成分が安定したままで、長期保存ができる。また、でんぷんが、α化されているので、煎じると、有効成分が溶け出しやすくなっている。
紅参は
12世紀に韓国で、開発された人参。当時、韓国において、高麗人参は、貴重な
貿易品であったので、輸送中に変質させないために、輸出用の上等な生人参を長期保存できるようにと加工されてつくられた人参。
白参

生人参を水洗いして、外皮をはがして蒸さずに乾燥した人参。
外観は、きれいな白色をしている。

*服用を避けたほうがいい場合
  • 風邪などで熱を出している時(循環器の働きを高めるので動悸を激しくする)
  • 化膿性疾患がある時     (おできがより大きくなったする)
  • 腎障害のある人         (むくみがひどくなる時がある)