7.      注目!増える結核 

  −NHK今日の健康 -12/18-

 
感染ルーツを断つ
ここ数年、日本では、お年寄りを中心に「結核」の発病が増加しています。自らが感染源にならないためにも、早く結核の症状に気づき、軽いうちに治療する事が大切です。再び増加しつつある日本の結核患者50年ほど前まで、「結核」は日本人の死亡原因の一位を占めていました。その後、「BCG接種」や抗結核薬の普及により、日本における結核の発病率に急激に減少し、最近では、結核は“過去の病気”と軽視されがちでした。ところが、15年ほど前から、日本の結核患者の減少率はかなり緩やかになり、1997年からは、急に増加傾向を示しています。
ここ数年、日本における結核の発病率が高くなったのは、
お年寄りの発病が急激に増加したからです。統計によれば、平成11年の結核患者の6割弱が60歳以上の人で占められています。お年寄りの多くは、結核の多かった戦前から戦後の時代に、知らないうちに結核菌に感染しています。感染しても免力が十分あれば、結核菌を封じ込めるので、結核に発病しません。しかし、加齢など、何らかの理由で免疫力が低下すると、体内で眠っていた結核菌が目を覚まし、発病します。新たな結核を発病するお年寄りが多いのは、このためです。


結核菌を含んだ咳によって感染結核は、結核菌によって起こる感染症です。
結核を発病した患者さんが話したり、咳をしたりすると、結核菌を含んだ飛沫(しぶき)が飛び散ります。一般には、周囲の人がこの飛沫を肺に吸い込むことで、感染が起こります。これを、「飛沫感染」といいます。
家族や職場・学校の仲間など、接触する機会が多い人に結核を発病した患者さんがいると、飛沫感染が起こりやすいといえます。特にカラオケルームなど、喚起が悪く、人が密集する場所は、感染が起こりやすいといえるでしょう。しかし、食器や食べ物など、物を介して感染することはありません。また、結核菌を含んだ飛沫が目や鼻の粘膜などに付着しても、ほとんどは感染しません。成人の集団感染も増加している最近は、成人でも結核に未感染の人が増えています。これらの人は結核菌に対する免疫がないため、結核菌に遭遇すると容易に感染し、発病することも少なくありません。成人のグループが、集団感染の舞台になることが多いのも、最も特徴の一つです。


症状
結核の初期症状は
風邪に似ている症状がぐずついたら赤信号結核の初期症状は、「発病(37〜38℃の微熱)」「咳や痰」が出るなど「風邪」の症状とよく似ています。
症状が進むと
「血痰」が出たり、「胸が痛む」「体重の減少」などの症状が起こります。
始めは、咳や痰などの初期症状が出ても、ほかの自覚症状はあまり出ないので、風邪と思い込んだり、煙草の吸い過ぎだろうなどと、気に留めないで、発見が遅れるケースも見られます。
しかし、「微熱や咳、痰などが2週間以上続く」、あるいは「よくなったり悪くなったり、症状がぐずつくようなことがあったら、医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。