5.   医療事故

 日経ヘルス :2000/11-


 
 「次々と明るみに出る医療事故対策に力をいれる病院の見分け方」

横浜市立大学病院、筑波大学病院、都立広尾病院 ・・・。このところ、名だたる大病院での医療事故が相次いでいる。なぜここまで頻発するのか。医療訴訟に詳しい大阪歯科大学の塚田敬義講師は、「医療技術が高度化して医療行為件数が増え、事故も増えているのだろう。加えて、患者が病院にクレームをつけることをいとわなくなったため、事故が顕在化しやすくなった」と語る。事故の発生過程を検証すると、多くの場合、単純なミスに行き着く。典型的なパターンは、“取り違えミス”だ。昨年2月に起きた都立広尾病院での死亡事故は、看護婦が傷の処置に用いる消毒薬入り注射器を、本来投与すべき薬剤と見間違え、消毒薬を血管に注射した。いかに、高度な技術を持つ大病院でも、こういった基本的な管理をおろそかにされてはたまらない。
慶応義塾大学の林喜男名誉教授(人間工学)は、「取り違えやすいものは色を変えるなど、ちょっとの工夫でミスは減る」と話す。都立広尾病院の事故では、消毒薬と薬剤を同じ色、形状の注射器に入れておいたことがミスを誘発した。最近では、赤や緑などの色を着けた注射器が販売されている。こういった器具を導入している病院は、事故防止に力を入れていると見ていいだろう。