4.  環境ホルモン(内分泌霍乱物質) 

日経ヘルス   : 2000/11-

       「胎児にも環境ホルモンは届いている野菜たっぷりの食生活が大切」


環境ホルモンにさらされた場合
最も重大な影響を受けるとされているのが、胎児期(特に妊娠初期)。しかしこれまでは、胎児は母親の胎盤によって有害物質から守られている、というのが定説だった、と語るのは千葉大学医学部解剖学第一講座の森千里教授。
同教授が行った研究で、環境ホルモンが胎盤やへその緒を通過して、胎児に届いている事が明らかになった。へその緒とその血液から検出されたのは、人体への残留性が高いとされているダイオキシン類や、既に72年に生産中止となっているポリ塩化ビフェニール、71年に使用禁止になった有機塩素系殺虫剤のDDTなど。つまり、使用されなくなってから約30年たってなお残留している有害物質もあるわけだ。また、母体で代謝されやすいため、胎児への移行は少ないだろうと思われていたビスフェノールA(ポリカーボネート食器や缶飲料水内側のコーティンブに使われる)やノニルフェノール(界面活性剤)も検出された。これなの物質はすべて、環境庁が挙げる70種類の「内分泌霍乱物質リスト」中にあるもの。
「一種類づつみれば、直接人体への被害はないと思われる量でも、複数の物質が合わされることによって新たな毒性が生じる“複数感染”の危険性もある。環境ホルモンの人体への蓄積量を現時点で食い止めることが重要です」と、森教授は警告する。
私たちの体内に入り込む環境ホルモンのうち、8〜9割までが事から摂取されるといわれる。妊娠中や妊娠予定の人はもちろん、そうでない人も、できるだけ環境ホルモン摂取を避けるにはどうすればいいのか。
「都市沿岸の脂肪の多い魚は汚染物質を蓄積しやすいので過剰に摂取しないこと。また、加工食品に偏りがちな人は、いろいろ食材をバランスよく摂る食生活に変えることから始めてほしい」(森教授)
いったん体内に入っても、有害物質の体外排泄作用が明らかになっている野菜類を積極的にとることで体を守ることが出来るので、環境ホルモンに負けない食生活を・・・。

胎児のへその緒から検出された主なホルモン
ノニールフェノール(界面活性剤)
ビスフェノール(樹脂原料)
カドミウム(殺虫剤、71年使用禁止)
PCB(ポリ塩化ビフェニール72年使用禁止)
ダイオキシン
PCBDDTに関しては母親の出産年齢が高いほど濃度も高くなる傾向にあった。

環境ホルモンの影響

環境ホルモンの影響を特に避けるべき時期
妊娠三ヶ月までの初期は、胎児の体の諸器官が形成される重要な時期で化学物質の影響を受けやすい。
妊娠の可能性がある人は、注意。

環境ホルモンの影響が疑われる症状
精子数の減少、尿道下裂の増加(生まれつき尿道口が陰茎の途中や根元にある症状)精素ガンの増加、乳ガンの増加、子宮ガンの増加、子宮内膜症の増加、女性の思春期の早期化、免疫系・神経系への悪影響。

 

 環境ホルモンの影響を避ける為の対策

食事上の注意
工業地帯でとれた魚介類は避ける、動物性食品の脂肪や内臓は控えめにインスタント食品や外食も控える。

生活上の注意
ダイオキシンを発生させる塩ビのラップをやめ、ポリエチレン製を選ぶ、「リサイクル生活」を実践する。
殺虫剤や衣類防虫剤の使用に注意。