34.  「 太るホロモン」 解明

読売新聞2002・6・17


体に脂肪がたまって肥満になるのに十二腸潰瘍から出るホルモンが重要な役目をはたしていることを京都大の研究グループの働きを抑える動物実験をしたところ、脂肪が多い餌を与えても体重がほとんどふえなかった。肥満の予防や治療薬の開発に役立ちそうだ。
17日付けの米医学誌ネイチャーメディシン(オンライン版)で発表する。研究をしたのは京大医学部の清野裕教授と山田祐一郎・助教授ら。肥満は体の中の脂肪細胞に余分に脂肪がため込まれて起こる。
清野教授らは、食事後に主に脂肪の刺激で十二指腸から出るホルモン「GIP」に注目。脂肪細胞の表面でGIPと結合し、刺激を細胞内に伝えるたんぱく質「GIP受容体」がないマウスを使い、肥満になるかどうか実験した。まず、普通のマウスに餌の全かろりーのうち脂肪分が45%の高脂肪食を与えた場合と、同13%の通常食を与えた場合を比べた。50週間飼うと、高脂肪食の方が通常食より体重が約35%多く、肥満になった。
次に、GIP受容体がないマウスで比べると、餌の違いで体重差が出ず、高脂肪食だも肥満にならなかった。脂肪細胞の性質などを調べたところ、GIP受容体がGIPと結合すると、血液中の脂肪をとり込みやすくする酸素が出ることなどが分かった。山田助教授は「これまでの肥満治療薬は食欲を抑える薬。GIPの働きを抑える薬なら、脂肪の蓄積という肥満の源を解決することが期待できる」と話している。

宮崎淳一・大阪大医学部教授(分子栄養学)の話 
「肥満研究の中であまり重要視されていなっかたGIPが脂質代謝そのものと関係し、中心的な役割を果たしているとわかつた。人でも同じ働きかを確かめた上でGIPを抑制する薬を開発できれぱ、糖尿病など肥満に伴う成人病を防ぐことができるかもしれない。」