3. 厚生省がPPA製剤の適正使用を支持 

 日経ドラッグインフオーメーション/ No.38

「米国における販売中止に対応、過量服用しないよう徹底」  

厚生省
11月20日、「塩酸フェニルプロパノ―ルアミン(PPA)を含有する医薬品の適正使用について」と題する通知を行った。これは、米国食品医薬品局(FDA)が11月3日、「PPAが出血性脳卒中のリスクを増大させる」として、製薬企業に対してPPA含有医薬品の米国内での自主的な販売停止を要請した事に対応したもの。PPAは日本では、OTC薬のうち鼻炎用内服剤57品目、かぜ薬6品目、鎮咳≪mワ5品目に含有されている。また、医療用医薬品では、ダン・リッチがPPAを含有する。一方、米国では、PPAは鼻炎用内服剤、風邪薬、鎮咳去痰用剤のほかに、食欲抑制剤としても使用されていた。
今回のFDA決定に伴い、国内での対応について検討を続けていた厚生省は、日本ではPPA含有医薬品を直ちに販売中止とする事は必要ないものの、さだめられた用法・用量に従い過量服用しないことを徹底する方針を打ち出した。
その理由として、同省は
1.米国での研究においてPPA含有医薬品服用後の出血性脳卒中の発現は、食欲抑制剤として服用された場合に高い関連性が認められたが、我が国では食欲抑制剤としても承認されておらず、また食欲抑制の目的で使用されている実態にない
2.
わが国におけるPPA含有医薬品の成人のおけるPPA含有医薬品の成人における一日最大服用量は、米国の150mg/日より少ない100mg/日(鎮咳去痰剤は90mg/日)であること―――を通知の中で挙げている。
また、製薬企業に対しても使用上の注意を改訂を指示。
一般医薬品の場合は、
1.高血圧、心臓病、甲状腺障害の診断を受けた人は使用しないこと
2.脳出血を起したことがある人は服用しないこと
3.過量服用しないこと
4.モノアミン酸化酸素阻害剤(塩酸セレギリン等)で治療を受けている人は医師または薬剤師に相談する事
5.まれに重篤な症状として脳出血が起こる恐れがあること―――を追加した。


日本薬剤師会も厚生省の要請を受け、会員に対して適正服用に関する店頭での指導を求める通知をおこなっている。
日薬の佐谷圭一会長はこの問題に関して、11月に都内で行った講演で
「(風邪薬の本格的な需要期を迎えて)大きな痛手。PPAに関する商品の速やかな供給が望まれる」と深刻な受け方をしている。
日本以外では、英国医薬品庁(MCA)が、「PPA含有医薬品と脳出血リスクの増大との関連性を示す証拠は弱い」との見解を示した上で、一日100mgを超えて服用しないよう使用上の注意を喚起した。