29. 食品衛生法改悪 健康1兆円市場、重大局面に     

健康産業新聞  2002年6月5日

保健機能食品と紛らわしい表示の健康食品は流通禁止へー。


既報(998号1面)の食品衛生改正に関して、自民党は先月23日、食品衛生法改正による健康食品の規制強化を盛り込んだ提言をまとめた。同党の示した法改正案は、BSE問題や擬装表示事件など主たるターゲットのはずだが、この混乱に乗じて、保健機能食品以外の健康食品を市場から締め出していく意地が明らかだ。

表現の自由奪う自民党法改正既報のとおり、食品栄瀬法改正の議論は、BSE問題など食品の安全性に関わるトラブルや偽装表示など一連の騒動を受けて浮上してきたもの。この法改正議論には、なぜか健康食品の規制強化も含まれており、一般紙などでも度々報道された。同法改正案は現在、来年通常国会堤出に向けて、政府・与党、厚労省などで検討がおこなわれている。
 自民党厚生労働部会に設置された「食品衛生規制に関する検討小委員会」は
先月14日、「食品の安全に関する信頼確保のための改革提言」をまとめ、厚生労働部会に報告したが、これを受けた同党政務調査会の「食の安全確保の関する特命委員会」は23日「食の安全確保に関する提言」をまとまて、政府に具体的な措置をとるよう求めた。いずれの提言においても健康食品の規制強化を明示している。
同党案では、
健康食品について、

@「最新のかがくてき見等から判断して過剰摂取等による健康影響が懸念される場合に、流通を禁止できる法規定を整備する」(法改正)
A「保健機能食品以外の食品について保健機能食品と紛らしい広告を禁止する。」(法改正)、
B「健康食品の安全性や効果を確保するため、特定保健食品の許可や栄養機能食品の基準追加を進め、保険機能食品制度の推進を図る」(省令改正)ことを求めている。
全体的に、保健機能食品と健康食品を切り離し、保険機能食品制度になじまない健康食品を規制強化し、市場から締め出していく意図が読み取れる。
同党の説明では、「(健康食品は)消費者トラブルも多いと聞いている。これから起こるかもしれないリスクを考慮して提言したもの」としているが根拠は薄い。保健機能食品は、健康維持・増進や一般的な栄養素の説明に関わる表現が極めて限定的に認められているが、これに類似する表現までも規制されるとなると、健康食品には一切の表現が許されなくなる。見方を変えれば、大半の健康食品には表現の自由が完全になくなることとなり、憲法論争にまで発展する可能性がある。