2.  薬の副作用

 日経ヘルス 2001/1

 「風邪薬の成分で脳出血の副作用、米当局が使用禁止を通知」

米国食品医薬品局(FDA)
塩酸フェニルプロパノ―ルアミン(PPA)を成分とする風邪薬などの市販薬について、脳出血を起す危険性があるとして、これらの医薬品の使用をやめるように警告を出すと同時に、製薬会社には当該のすべての製品の販売を中止するように要請する通知を出した。PPAは、気道粘膜の充血やはれを抑えて鼻詰まりや咳を改善する成分として、市販の総合風邪薬や咳止め薬、鼻炎薬などに多用されている。また、食欲を抑制する作用があるとされ、米国では米国では「やせ薬」としても広く市販されてきた。脳出血の副作用は以前から散発的な報告例はあったが、このほど米国エール大学の研究グループが大規模な調査を行って統計学的に危険性を明らかにした。その報告によると、18〜49歳の女性で脳出血を起した患者約700人のうちの3.8%発症前の72時間以内にPPA製剤の服用によって、明らかに脳出血を発症する危険性が高くなっていた。FDAはこの結果を重く見て緊急に厳しい対応をとった。

これに対して、厚生省は「日本国内での使用を直ちに中止する必要はない」との見解を示している。厚生省はその理由として、報告データでは、脳出血の発症リスクが高かったのはPPA「やせ薬」として使ったケースであり、風邪薬として使った場合には、危険度はほとんど高くなっていないことを指摘する。日本では、PPAを含む「やせ薬」は販売されていない。だが、例えば、米国の代表的な「やせ薬」の一つである「DEXATRIM」の一カプセル(一日量)に含まれるPPAは75r程度。国産の鼻炎薬や咳止め薬でもこれよりPPAを多く含むものもある。

「やせ薬」では
過剰な効果を期待して、指示量をはるかに超えて大量に服用するのが問題だとの指摘もあるが、今回に調査データでは、用量が多くなければ危険性は小さいとは必ずしも言い切れない。もしネット販売や旅行土産で入手した「やせ薬」がPPA入りの製剤だったら、FDAの警告に従って、使用を控えるのが賢明だろう。なにぶん、PPあを服用するとなぜ脳出血がおきやすくなるのか、そのメカニズムはまだ不明であり、なぜ食欲抑制薬として使っている場合に脳出血を起しやすいのかも因果関係が説明できていないからだ。「ACTIVE IN GREDINTS(有効成)」欄を見て、「PHanylpropanolamine HCL(PPA)」が含まれているかどうか、チェックが必要だ。


    
PPAを含む国内の主な大衆薬  
  

  商品名 販売会社

PPAの量

総合感冒薬 ストリジェナサイス 佐藤製薬

75r

ベンザブロック 武田薬品株式会社

75r

咳止め薬 コンタック咳止めSR スミスクラインビーチャム

90r

ブロン錠12 エスエス製薬

90r

コデブロン「液剤」S カイゲン

90r

鼻炎内服液 浅田飴鼻炎シロップ 浅田飴

100r

エスタック「ニスキャップ」 エスエス製薬

100r

サンテ鼻炎顆粒 参天製薬

90r

ルル内服液「鼻炎用」 三共

100r

パブロン鼻炎カプセル 大正製薬

80r