19.   ノートテイカー

産経新聞: 2001/3/2

難聴の学生に代わり講義を筆記
難聴の学生の代わりに講義を要約筆記する「ノートテイカー」と呼ばれるボランテイアを、来年度にも派遣しようという全国初の試みが、京都で進められている。49大学が加盟するネットワークが拠点となって難聴者の依頼を受けるとともにボランテイア志望の学生を養成して派遣することを検討。板書だけでは理解できないために授業をあきらめる難聴者もおり、活動の広がりに期待が寄せられている。
京都を拠点にボランテイアを養成
拠点となる49大学が参加して単位の相互交換を仲介している「大学コンソーシアム京都」。難聴者は手話や読唇術をみにつけているとは限らない。現在、大半の難聴者は、友人などに、筆記を依頼しているため、表面的なノートテイカーの要請「年一、二件」(大学関係者)と少ないが、隠れた要請はかなり多いとみられる。京都市内の二十歳代の難聴の女性は「高校の時は友達のノートを借りるしかなく、先生が何をいっているかまったくわからなかった」と振り返る。大学が手話のボランテイアをつけるケースもあるが、ほとんど対応できていないのが現状。友人らに依頼できない学生の場合、授業を聞き取れないストレスから難聴が進行して受講をあきらめるケースもある。
こうしたなか、大谷大では、昨年、文学部の佐賀夏文・助教授を中心に、京都市の要約筆記サークル「かたつむり」の指導を受けた有償の学生ボランテイアを難聴者につけるシステムを整備。好評だったため規模を拡大することにした。難聴者の要請や大学からの相談を受け付け、ノートテイカーの需要を把握すると同時に、ボランテイア希望の学生にノートテイカーの仕事を紹介。人数を増やすとともに授業にあわせて専門的な内容も充分できるノートテイカー要請も目指す。


「かたつむり」の西原泰子会長の話
「大学から“ノートテイカーを求められたが、どう対応していいか分からない”と相談を受けることが多かった。京都から全国的に活動の輪が広がれば。」