成熟するにつれて人はますます若くなるすべての人に当てはまるとはいえないけれど、私の場合はとにかくその通りなのだ。
私は自分の少年時代の生活感情を心の底にずっと持ちつづけてきたし、私が成人になり、老人になることをいつも一種の喜劇と感じていたからである。」と、ヘルマン・ヘッセは、本の中で書いている。

人間の体は、年を重ねる毎に少しづつ衰えていき、そして、生を与えられた我々人間は、いつの日か死が訪れる。それを各自が自然体で認識した上で、それぞれの、年相応の健康と穏やかな精神を保つように努力したい。特に、体は老いても気持ちは、年をとることはないのだから若者でいたい。
お年寄りは、ちょっとしたことで病気になりやすく慢性化しやすい。周囲にいる人は、お年寄りの体の状態をよく理解し、病気の初期の症状をみのがさないことが大切。


  お年寄りが心がけたい事

年をとることに背くことよりも、老化を生理的な現象と受け止め、気持ちをいつもプラス志向で前向きに生きていきたい。

   *お年寄りが心がけたい事!
 
  1. 自分でできることは、自分でする。
  2. 適度な運動をする、散歩に行く。 
  3. 友人・知人と積極的に会っておしゃべりをする。
  4. 音楽、美術、スポーツ等、自分にあった趣味を持つ。
  5. 身だしなみに気を使い、おシャレをする。
  6. 家庭での役割をもつ。
  7. 温泉、ドライブ等でリフレッシュ!
  8. 周りの人から愛されるように努力する。
  9. 周りの人に感謝の気持ちを持つ。 
  10. 「生きている」ことに喜びを!

    家族・周囲の人が気をつけてほしい事は
  お年寄りの場合は

体全体の働きが低下して来ているので、ちょっとした事で疲れやすくなり、体調も崩れやすくなっている。
小さな体の変化にも気を配るようにしたい。


  老化に伴う体の変化には

1.免疫力の低下
 感染症にかかりりやすくなる。
 発ガンの危険性が高まる。
2.心臓の予備力の低下、動脈硬化
 心不全になりやすい
 高血圧、心臓病、脳卒中が起りやすい
3.腎機能の低下
 体内の水分や電解質のバランスの異常が生じやすい
4.感覚器・内分泌系・自律神経の機能低下
 環境の変化への適応能力が低下する。

  お年寄りの病気の現れ方

1.幾つもの病気にかかりやすい
2.典型的な症状を示さない。
3.重症化・慢性化しやすい
4.薬の副作用を起こしやすい。


 注意したい症状(症状から考えられる病気)

1.息切れ、動悸
 (一般的に考えられる病気)
 心臓や肺の疾患 
  貧血、発熱
2.頭痛、めまい
 緊張型頭痛
 脳血管障害、血圧の異常、脳腫瘍
3.せき、たん
 
呼吸器の疾患
 気道内異物、降圧薬の副作用
4.のどのかわき
 
脱水、糖尿病
 降圧利尿薬の副作用、口の中の荒れ
5.食欲不振
 
消化器の疾患
 口内炎、うつ病、
6.かゆみ
 
皮膚疾患、
 血液疾患、悪性腫瘍

   お年寄りの脱水に注意!

お年寄りは、脱水になりやすいうえに、自分では気ずかないことが多いので周囲の人は普段からお年寄りに充分な水分をとってもらうように、心がけることが大切。


  脱水を起こしやすい理由は
    1.渇中枢機能の低下

年をとると、渇中枢機能が低下してセンサーの感度が鈍くなってくるため、体内の水分が減っても、のどの渇きを覚えず水分の摂取量が少なくなる。

    2.腎臓機能の低下

年をとると腎臓の働き自体が悪くなるうえ、抗利尿ホルモンに対する感受性も鈍くなってくる。そのため、体内の水分が不足しているにもかかわらず、薄い尿を多く排泄するため体の水分が不足してしまう。

   3.細胞の数の低下

年をとるにつれて、体の細胞の数が減少する。細胞には、内部に水分を含んでいるので体内の水分も減ってきて脱水状態に、陥りやすくなる。


  脱水の症状には

1.意欲低下
2.意識障害
3.けいれん発作
4.皮膚、粘膜の乾燥
5.血圧の低下
6.頻脈
7.尿量の減少

  お年寄りに薬を飲ませる時の注意!
  1.飲ませ方

寝たまま飲んだり、水を使わず飲むと、薬が肺に入ったり、喉や食道で止まったりして潰瘍や肺炎をおこすことがあるので、体を起こしてのませるようにする。 

  2.飲む量

お年寄りは、一般に薬を排泄、解毒する作用が弱くなってくるので、特に70歳を過ぎると、薬を成人より減らして飲んでもらう。

  3.副作用

お年寄りは副作用が出ても外部からは分かりずらいので、薬を飲んでいる間は、肝臓,腎臓の検査をして注意する。


  *体があちこち悪く飲んでいる薬が多い時は

お年寄りは複数の病気をもっていることがが多いので、いろいろな薬を一緒に飲んでいる。飲んでいる薬の種類が多いと副作用も出やすくなるので、時には、必要な薬を除いて、思い切って止めてみることも必要。ただし、自分勝手ではなく、専門家に必ず、相談すること。

  *薬をうまく飲めない時は

薬をうまく飲めない時や、はいてしまう時は、座薬を使うのも一つの方法。座薬は、吸収が早く、胃を荒らさず、肝臓障害を起こしにくいので、お年寄りに適しているといえる。

お年寄りは精神状態が、体調に影響しやすく家族や周囲の人が冷たくすると、病状が悪化したりする。それを防ぐためにも暖かく愛情を持って接して欲しい。