お年寄りの皮膚のかゆみ「皮膚掻痒症」

  老人性皮膚掻痒症とは

原因が分からずかゆみだけが起きる皮膚の病気を皮膚掻痒症といい、特にお年寄りに起きるものを老人性皮膚掻痒症という。


  症状は
  • 原因がないのに肌が痒い
  • 肌がカサカサして白っぽく見える
  • かゆみで夜、寝付かれない
  • かきむしって皮膚が赤い

  原因は

皮膚の乾燥が原因で起る。皮膚には、潤いを保つ機能が備わっているが、年をとると、その機能が低下するため、皮膚が乾燥しやすくなり乾燥すると体の外からの刺激に敏感になり、痒みがでてくる。老化により汗腺や皮脂腺の働きが悪くなると、私たちの皮膚の表面を襲っている「脂肪膜」が少なくなってくる。
そうなると外部からの刺激を防御する力が衰え、かゆみを感じ取る部分である、かゆみの受容体(レセプター)が、ごく軽く刺激でも敏感に反応してしまい、痒いという感覚が生まれるようになる。
 


  治療

皮膚の乾燥が痒みを起こしている原因なので基本的には、皮膚の乾燥を防ぐことが治療の中心

   皮膚の保湿をする

皮膚の潤いを保つために、尿素入りクリームや尿素軟膏の外用薬が用いられる。
尿素には、天然保湿因子に働きかけ、角質細胞の保水性を高める効果がある。

   かゆみを抑える
かゆみがあるとつい皮膚をかいてしまう。すると、かいたことが刺激となりさらにかゆみが強くなるという悪循環に陥る。かゆみが強い場合は、かゆみを抑える薬を用いる。

  漢方薬

まず始めに補剤の漢方処方を服用して、免疫力、抵抗力を増強させて、体質改善をはかるといい。 
かゆみをとめるのに、抗ヒスタミンや抗アレルギー薬を使うが、これらの薬は尿の出を悪くするので、前立腺肥大の男性が飲むと、排尿障害を悪化することがあるので、そいう場合は、漢方薬の方がいいかもしれない。

    用いる漢方薬
  • 補剤として
    補中益気湯、人参養栄湯、加味帰脾湯
  • 実証のお年寄り
    黄連解毒湯
  • 虚証のお年寄り
    真武湯、
    当帰飲子:血液循環を改善する当帰、発汗を促進する防風、鎮痛作用をもつ芍薬などの生薬が含まれている。
  • 漢方入浴剤
    アトピー性皮膚炎などに使った皮脂の分泌を促す入浴剤として、生薬の地黄と当帰を煎じて使う。
    地黄と当帰には、皮膚自体の機能を回復させ、皮膚の脂質合成能力や、皮膚の水分保持能力を高める作用があることが基礎実験でも確かめられている。

  予防
お年寄りは、お風呂好きな人が多いが、体を洗う際にどうしてもせっけんが汚れとともに皮膚の脂肪分を落としてしまい、脂肪膜も落としてしまうので、お風呂に入る時は、いろいろ細かいことに注意すること。。
普段の生活で、特に大切なことは、皮膚の乾燥を防ぐことと、かゆみを生じさせる原因を取り除くこと。
 
*気をつけたい事は
  • 入浴の回数を少し減らす。
  • 洗うときは、あまりごしごし洗い過ぎると皮膚が乾燥しやすくなるので優しく洗う。
  • 漢方浴剤などを使って皮膚を保護するようにする。
  • おふろ上がりには、低刺激化粧品などで、皮膚に潤いを与え乾燥を防ぎ脂肪分を補う。
  • おふろ上がりは、体が温まっているため、痒みが生じやすいので、すぐ寝ない
  • かゆみをかんじるのは、肌着ですれる脇腹や、太腿が多いのでできるだけ、皮膚への刺激の少ない肌着をつけるようにする。
  • 電気毛布なども、痒みを増す原因に成るので、使わないようにする。
  • エアコンなどで、部屋を乾燥させないこと
  • 汗は、皮膚を刺激し痒みの原因になるので、あまり汗をかかないように。
  • アルコールを飲むと体が温まり痒みが増すので控えめに
  • 睡眠や休養をとり、規則正しい生活を送る