「かぜかな?」と思ったら、まずゆっくり休むこと。普通なら3〜4日もすればウイルスに対する抗体ができて、たいていは自然に治ります。かぜ薬を飲んだからといって、ムリをしたり不規則な生活を続けると、かえってかぜをこじらす結果になってしまいます。
 
せきを我慢するのはだめ。ウイルスが体外へ出なくなってしまいます。ただし、激しいせきは体力を消耗するので、小さく細かくするのがベスト。夜も眠れないようなひどいせきなら、せき止めを飲みましょう。

 

鼻水もせきと同様、ウイルスを体外に出そうとするはたらき。片方ずつ鼻をかんできちんと出してあげることが大切です。両方いっぺにかむと、ウイルスを鼻の奥へ追い込んでしまうことになるので注意。
 
ビタミンCはウイルスに対する抵抗力を高めます。ところが、発熱で奪われやすいのもビタミンCの特徴。1回にたくさんとらず、1日数回に分けてとるのが効果的です。(いちご、キウイ、レモンなどのくだものをはじめ、手軽にビタミンをとれるサプリメントやクスリもあります。
 
熱が下がって安心してはいけません。弱った粘膜に別の細菌が感染し、肺炎などの二次感染を引き起こすことがあるからです。熱が引いた後も、一週間は安静にしていましょう。

 
  
熱もないのに解熱剤の入った風邪薬を飲む必要はありません。次のチャートを参考にして、症状にあわせてお選びください。

 
  
「かぜ」は主にウイルスが原因でおこる呼吸器系の炎症性疾患の総称。なかでも怖いのは、インフルエンザウイルス。強力な感染力を持っています。
 
熱が出るのは、体がウイルスと戦っている証拠。熱で免疫機構が活発になり、ウイルスに対する抗体がつくられます。ただし、この発熱は3日以内に下がるのが普通。それ以上続く熱は危険信号です。
 

せきや痰は、ウイルスや細菌、気管にたまった痰などのいろんなごみを、体の外へ出そうとするはたらき。痰は細菌のすみかになるため、せきを我慢せずに痰を出してやることも大切です。
 
最初は透明で水っぽい鼻水が、3〜4日たつと緑や黄色のどろっとした鼻水に。これをかぜのウイルスと戦った白血球の死骸。さらに膿のような鼻水が出るなら、感染症を起こしたか、別の病気の可能性も・・・。

 
  
  
 
かぜを予防する一番効果的な方法は、ウイルスをもらわないこと。なるべく人の集まる場所には行かないようにするのが何よりの予防です。
 
ウイルスは鼻や口から侵入し、粘膜に付着します。これを防ぐためには「うがい」が効果的。殺菌効果のあるカテキン含む日本茶でうがいをするのもよいでしょう。
 
インフルエンザなど冬かぜのウイルスは湿度の低いところを好みます。温度が低くなる冬は、加湿器などで部屋の温度を50〜60%以上に調節しましょう。

 
 

かぜ薬と解熱剤を一緒に飲んでもいい?
ほとんどのかぜ薬には解熱剤が入っています。
その上さらに解熱・鎮痛剤を飲むと、成分が重なってしまい危険です。せき止めや鼻炎薬も同様。薬の併用は思わぬ副作用が出ることもありますので、薬剤師に相談してください。
漢方薬なら副作用はないんでしょ?
かぜ薬の葛根湯(かっこんとう)には、甘草(かんぞう)という生薬が入っていますが、高血圧の人や心臓や腎臓の悪い人が飲むと、血圧が高くなったり、むくみがでたりといった副作用が起こることもあります。漢方だからと安心せず、必ず薬剤師にご相談ください。

 
  

     

古くから伝わる健康法、いつもキッチンにある材料で簡単に
できちゃうのが魅力です。かぜのひきはじめに試してみては?


江戸時代から伝わる民間療法。体を中からあたため、汗を出して熱を下げてくれます。

【つくり方】
@日本酒(1カップ)を鍋に入れて沸騰させる。
A卵(1個)を割れ入れ、すぐに火を止め、かき混ぜる。
B鍋におろししょうが(1片)をいれる。
C好みで砂糖を入れ、熱いうちに飲む。


梅干しは殺菌力の強い酸が豊富。番茶の渋み成分タンニンはバイ菌の繁殖を抑制。

【つくり方】
@梅干しの種を取り除く。
A果肉をほぐして湯飲みに入れる。
B上から熱い番茶を注いで、熱いうちに飲む。


せきや声がれ、たんなどの症状をやわらげる働きがあるといわれています。飲みやすいのでお子様にもぴったり。

【つくり方】
@大根(10cm)を1cm角のさいの目に切り、
   広口びんに入れる。
A上からはちみつ(1.5カップ)を注ぎ、蓋をして冷蔵庫へ。
B一晩おいてから大根を取り除く。
Cできあがったあめ少量に熱湯を注いで、ゆっくりと飲む。


焼いた長ねぎをガーゼにくるんで首に巻くだけ。のどがポカポカあたたまり、ねぎのにおいが鼻づまりにも効きます。

【つくり方】
@ねぎの白い部分(10cm程度)を2本、焼き網で焼き色が
   つくまで焼く。
Aガーゼに、焼いたねぎを一列に並べ転がすようにして包む。
Bのどにあててガーゼを首に巻き、一晩寝る。

監修:(株)ツルハ総合研究所
制作協力:相 模 漢 方 薬 局