昭和大学医学部藤が丘病院 脳神経外科 特別研究員
 昭和薬学大学 放射化学研究室 元 助手
 玉川大学大学院 農学部 資源生物学 専攻
 日本医歯薬専門学校 「漢方応用学」 講師
 MSSセルフメディカル研究所 所長
 漢法科学財団 評議員 漢法科学財団友の会幹事
  
    佐藤知樹
 (医学博士、薬剤師)
 「虚血性脳血管障害に対する黄連解毒湯および当帰芍薬散の効果」の
論文にて医学博士の学位を取得(2003.6.12)

“一 言”

科学の世界はハイスピードで、進歩をとげてきた。その進歩のおかげで、私達は、ずいぶんと恩恵をうけている。その反面「伝統医学」、中でも漢方は、非科学的なものとして、排除されつつある。「伝統医学」は、長い歴史と経験の中で、着実につちかわれてきた医学であり、決して、非科学的なものではない。
科学的手法で解明されていないことが多くあるだけのことで、その根拠と理由を科学的手法で解明し、そして西洋医学と融
和し、新しい医学体系が築 かれていくことが必要なのだと思う。あたふたと、体のトラブルを解決しようとせず、自分で治せる範囲内で、自分にあった食事療法、漢法療法を用いて、やさしく、じっくりと体と心を癒して欲しい。

科学が進歩し便利になることは、大切なことではあるが、決してあわてる必要はない。 あわてればあわてるほど、環境破壊、薬害、医療ミスが生じるだけである。科学が発達すると、化学兵器、核兵器の高度な開発が進み、自然破壊、地球破壊に向かってどんどん歩んで いっているだけなのだ。
先進国においては、耕地が自動車のための道路や駐車場のために、どんどん舗装で覆われてしまう事態になっている。地球が皮膚呼吸するのも、それだけ作物が減っていくということであり、地球上が舗装されてしまえばしまうほど、人間の食べるものもなくなるということである。(ルパート・カトラー“アスファルトは、その土地の最後の作物”)

東京都も、昭和55年に「東京都環境影響評価条例」を制定して以来、これから生きていく人達のために自然保護、公害対策、環境整備に力を注いでいる。東京都でさえも(?)少しずつではあるが自然環境、公害など努力の成果が現れてきているのである。

不景気になると会社を存続させるために、リストラが行なわれる。その対象となるのが、年齢の高い者、仕事の出来が悪いといわれている者、いわゆる弱者である。人間社会は、一人一人の生きている命の集合体であり、国や、社会を守るということも大事なことだが、もう少し、個人を尊重し、個人を大切にしてもらいたいものだ。一人の命といううものは、他の人からみると、他愛のないものであるかもしれないが、その人間にとって、他のなにものにも代える事が出来ない大切なものである。その大切な命をまもり育てるためにも、21世紀に向かい、地球のため、人間のために、腰を据えて、何を考えて、何をするべきかをじっくり、考えてみたい。
日本は、だんだんと、老齢化社会になりつつある。これからは、お年寄りが、若者を愛し、そして、若い人は、お年寄りに、愛情をもって接し、お互いに温かい目で向かい合って、生きていかなければならない。
自分が自分を大切にするように、愛するように、そして、人から愛されているように、周りの人にも接していたい。人を憎むより、人間を愛し、「生きている」喜びと感謝を忘れないでいたい。

“脳外と漢方”のお医者さん達にも見られるように、漢方薬を積極的にかつ、能動的に使用し、治療効果をあげようとする傾向が強くなってきた。結局、少しでも、患者さんの治療の助けになってもらいたい、改善してもらいたいということが大きなポイントだと思う。
これから漢方薬が色々な場面で登場して活躍していくためには、我々の基礎的な研究や実験にもとずく、正しい科学的根拠、裏ずけが必要となってくるのである。

第13回講演会,伊沢凡人先生の講話より。
“我々人間は、大脳ばかり発達してしまい、知の奴隷と化してしまったのではないだろうか。人間の脳は体の2%しかないのにブドウ糖の20%を消費してしまう。18%も余計に使われているが、どうもその18%は悪知恵を使うのに消費されているように思える。大脳ばかりが発達した人間は、けっして万物の霊長ではない。たしかに、非常に複雑化した生物であるが、生物としては、バランスの失った片輪な生物といえる。生物学者は、ホモサピエンス、「知の人」と学名をつけたが、現状は、「悪知恵の人」のようである。我々は、万物の霊長ではないのであるから、もっと謙虚に反省し、少なくても、自然環境を破壊するようなことは、慎みたい。”